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入学して二か月!比文'14の3人による新入生トークTwo months since entering university!: A talk for newcomers by Three of the College of Comparative Culture 2014 students

(以下のトークは、2014年5月末、Oくん、Kさん、Tくんの3人で行いました。)

最初の衝撃

------入学して二か月? 一か月半だっけ? どんな感じ?

【O】どんなって……一番衝撃だったのはやっぱりあれだよね!

【K】そう、カント! 衝撃!

------衝撃?

【O】俺、高校は野球部だったから、一歳でも年が上の人には敬語! とか、人間関係ガチガチに決まってて、こういうときにはこうしなきゃいけない、みたいなものがすごくあったんだよね。それって常識でしょ? で、俺もそれに従うのが当たり前だと思ってたんだけど、大学に入って初の授業がカント。カントの文章(注:カント『啓蒙とは何か』)をジカに読んだら、カントの言ってることとこれまでの自分の「当たり前」のギャップがあまりにもすごくて、ほんと衝撃だった。TC

【K】私も!高校の時にオープンキャンパスで思想の授業受けて、比文に合格して絶対この授業に出るんだ!ってずっと思ってたんだけど、いざ入学していざ授業を取ってみると予想以上のことばっかり。びっくりしたし、すごい目が開けた。

【T】がらっと変わるね。

【O】今までは、敬語使うとか常識守るとか、他人に良く思われるんだからいいじゃん、みたいな感じで当たり前にしてたけど、大学の授業でそれを問い直そうみたいになって。衝撃だし、今まで何やってたんだろうって自問自答がそこから始まる。

【K】そう、今までは失敗が嫌だったけど、カントの授業受けて、失敗してもいいんだ、やりたいことをやって失敗してもその失敗には絶対ポジティブな面がある、どうせだったら失敗を怖れて尻込みするよりもやってみたい!って思うようになった。

【T】カントに勇気づけられたよね。

入学して二か月!新入生3人によるトーク04【O】俺は本当に、失敗を失敗って思わなくていい、それは経験なんだって思えるようになった。例えば今、ヤドカリ祭(注:全学的な新入生のお祭り)の模擬店でトッポギ作ってるんだけど、ただ教わってレシピ見て、ってだけじゃなくて。失敗してもいいじゃん、試してみようよっていろんな調味料入れて、やってみて。親とか先生がいると口出ししてきて、ああしろこうしろって……それだと失敗はないかもしれないけど、楽しくもない。

【T】失敗を笑いあえる友人がいるっていうのもいいよね。トッポギが最初、わけのわかんない甘い味になっちゃって、みんなで笑いながら食べてたとき、これは失敗だけど失敗じゃなくない??って(笑)。

【K】成功って、ゴールは一つじゃないんだよね。だったら、自分にとって何が成功か失敗か……。最初成功って思ってても、もしそれで終わっちゃったらそれで終わりなんだよね。

【O】「失敗しちゃいけない」って思ってがちがちになってるのは……。

【O】失敗しちゃいけないって思うと、ただ正解をなぞらなきゃって思うけど、失敗してもいいや、やりたいからやろうって思うと、楽しんでやろうって思えるからその点でも伸びやかさが出るよね。それ自体に娯楽がある。

【T】自分でやって失敗しても、もう一回やったら、お! 自分成長したな! って思えるよね。それも嬉しい。

------トッポギとカントが結びついてる! みたいな。

比文、どんな場所?

【K】大学に来て何したい? って聞かれたとき、とりあえずいろんな人と知り合いになりたい、自分の世界を拡げたいって思って。実際、比文に入ってほんとによかった。先輩とか先生とかと壁が無くて、あんまり上下関係ないし、いっぱいいろんなこと話せるし。特定の人だけじゃなくていろんな人といっぱい話せるのがいいと思う。

【T】高校のときからそういうことしたかったなぁ。

【K】しかも、比文はやりたいことも専攻も全然違う人がいるでしょ。他のところだったら多分専攻別に分かれちゃったりとか、結局は同じような人の集まりになっちゃうけど、比文は地理やりたい人も思想やりたい人もいて、そういう人たちと一緒に学べるのがいいと思うんだよね。

【O】そういうのを、「比文は広く浅くでしょ」っていう人もいると思うけど絶対違う! 例えば同じ思想やるのでも、人文(学類)とかだと「思想史」みたいな、かちっとした勉強やるんだと思うけど、比文はそれだけじゃなくて自分で考えよう、でしょ。しかも、「自分で」、って言っても、入学して最初の授業でいきなり「カント読みましょう」、とかってさ。「カントを自分の頭で読みましょう」とか、マジか!カントかよ~、カントちょー難しいんじゃね?いきなり読むのか、って思ったけど、カント読んで自分の高校のときの校則の話とかスタート丈の話とかと絡めてみんなでいっぱい話して、すごい考えたじゃん。しかも先生が「こうですよ」って教えるんじゃなくて、解釈もみんなで納得できるまで話して、みんなの読みが全然違うことにもビックリしたし、ほんと面白かった!テクストってこう読むんだ、って思ったし、カントはまじで衝撃だった。

【T】そうだよね。だから「比文は広く浅く」じゃなくて、「広く深く」っていうか、普通のよくある「講義」の、もう一歩「先」まで行く感じ!

【O】そうそう!教わるだけじゃなくて、それを自分でどう解釈するか。っていうか考えるか。

【K】世界が広がるよね。

【T】うん。普通に楽しい。大学楽しい。っていうか比文楽しい。

【O・K】うん。

【O】クラス代表も大変かなって思ったけど楽しいし。

【K】そう、スポーツデー委員も大変かなって思ったけど楽しいし!みんなが一生懸命やってる姿とか見て嬉しいし。

【O】スポーツデーにうちのクラスも出場するか最後まで悩んだけど、結局は人数が集まって出たし、あれはよかったよね。やってみてよかった。自分たちで考えて悩んで決めるっていうの、すごい「自由」なんだけど、「自律」っていうかさ。

【T】そうそう! 比文って自由でしょ、とか言われるけど、それは堕落した自由じゃないよね。

------堕落した自由って?

【T】駄目な自由っていうのは、何も始めないことなんじゃない?新しいこといっぱい始めること、始めることができるっていうことが解放されるっていうか、自由なんだって思う。

【K】ただ与えられた中で選択するだけの自由じゃなくて、自分で作り出せる自由。

【O】失敗する自由もね(笑)。何を勉強するかっていうことに関しても、例えば他のところだったら文学とか体育とか芸術とか経済とか、最初からこれをやります、みたいなのがあってそれで四年間レールを走るんだけど、比文だったら、それはもったいないね。レールはいっぱい用意されてるけど、その上をただ走るんじゃなくて・・・

【T】四年間で見つけるんだよね。自分で。

【K】そうそう、最初から決めちゃうんじゃなくて。

【O】俺は思想がやりたいって思って大学に来たんだけど、比文なら自分で考えることが大事にされてるって思って比文に入ったんだ。でも、思想史の勉強したければ人文(学類)でそういう授業もとれるし、経済の勉強もしようって思って総合科目でそういう授業も取ってるし。比文だったら、これだって決めてても、それと並行して自分を拡げられるよね。

「つなぎ」じゃない!

【O】あと、比文を就職率で見て欲しくはないよね。

【K】大学を「就職までのつなぎ」って見てる人もいると思うけど、比文では四年間かけて自分を変えていけるって言うか、拡げていけるって言うか、自分の変化?成長?に合わせて、そのときそのときで方向修正しながらいろんなことを学んでいって、最終的にやりたいことを四年間かけて見つけていける。それが結果として出口で就職につながるっていう感じだと思う。

【T】うん、だから大学って絶対に「つなぎ」じゃない。

【O】最初から決まってる人、自分の興味が何、とか、自分がやりたいこと何、とか、それも大事だけど、それに一直線に進んでいく人もかっこいいと思うけど、最初から自分を決めないで、拡げていくのっていいよね。

【K】うん!

【O】そういう人に比文へ来てもらいたい!

【T】でも俺は違うな。それだけじゃないんだよね。むしろ「最初から決まってる人」っていうか「決めちゃってる人」にこそ比文に来て欲しい。最初からこれがやりたい、こう進むんだって考えてる人だって、ほんとはもっと広がる可能性あるじゃん。他の可能性を知らないのに始めから自分でそれを閉じちゃって「自分はこう」って言ってるだけって可能性あるじゃん。それは悲しいと思う。それで閉じちゃうのは悲しすぎると思う。実際にいろんなことやってみて、いろんな授業で自分を拡げて、いろんな人と、友達とか先輩とか先生といっぱい話して、「決まってた」はずの自分を開いて欲しいんだよね。そしたらもっと楽しいじゃん!それができるんだよね、比文ってとこはね。

【O】ほんと、そうだ! 俺もそう思う。

【T】俺とか、理系の人にだって比文に入って来て欲しいんだよね。比文で理系の勉強するなんてすごいいいと思う!

【K】安全パイじゃなくて、いっぱい試して欲しい。私も試したい! 試せるっていいよね。すごい嬉しい。試して良いんだ!ってすごい嬉しい。

------エラーしてもいいんだよね!

【O】そう! トライアンドエラーなんだから!エラーしても、っていうか、しっかりエラーして、それで自分を拡げられるんだから!

------カントだね!

【O・K・T】そう、カント。

【T】俺たちもそうやって四年間すごそう!

【O・K】そうだね!!

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