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No.7 「いま――わたしの願いごとが叶うならば」 S.Y (比文'15)No7. “If my Wish Could Come True Now” S.Y. (College of Comparative Culture 2015)

 「願い」あるいは「願う」という言葉は、英語の単語に置き換えるならば、"wish"だと答える人が多かろう。「望み」ないし「望む」という単語は、英語の"hope"に相当すると考える人が多かろう。私は普段から、この二つの語を意識的に使い分けるようにしている。
S.Y
 「願う」という言葉を我々が使うとき、神に願う、星に願うというように、なにか人間を超えた存在に対して用いられる。『魔法少女まどか☆マギカ』という作品の中で超越的存在である「キュゥべえ」というキャラクターの台詞に、こんなものがある。
「僕は、君たちの願いごとをなんでもひとつ叶えてあげる」
 彼にとって、叶えるのは「願いごと」であって、「望みごと」ではないのだ。自分にはどうしようもないもの、だから超越的存在に「お願い」するのである。生身に翼を生やすことは、人間にはできない。

 一方で、望みという言葉はどうだろう。神に望む、などという表現を私は見たことがない。具体例を示せず苦しいが、「人が~することを望む」という用法が一般的なように思われる。「望む」のは神に対してではなく、人間に対してなのだ。そこには、希望がある。まだ、人間の手で、何かできる。そう考えるからこそ、「望み」を捨てずに、困難に「臨む」ことができる。
 単位くださいと願うばかりの学生に単位は拾えない。

 「願う」と「望む」の(個人的)使い分けを踏まえた上で言おう。

 いま――わたしの願いごとが叶うならば、眠らずに活動し続けられる能力がほしい。

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