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[羽ばたけ!HIBUN生] 01 海外インターンシップで見えてきたもの[Take Flight! Hibun Students] 01 The Things Learnt During Overseas Internships

*「羽ばたけ!HIBUN生」は、様々な経験(海外留学やインターン等)をしている学生への、学生によるインタビュー企画です。

今回のゲストは齋藤侑里子さん(比文3年)。2016年夏に海外インターンシップ「総合商社出身の起業家と行くアメリカ西海岸でのビジネス実践プログラム」に参加。現在応援部WINSのチアリーディング部所属で、大学内の就活支援団体での活動を並行させて行っている。大学外では、インバウンド事業を行うスタートアップ企業のインターンシップを経たのち、ママ向けアプリやメディア運用のベンチャー企業でインターン中。コースは情報文化学コース。静岡県出身。インタビュアーは、古畑翼くん(比文3年、比文Project局長)です。

 

古畑:「今日は対談記事、「羽ばたけ!HIBUN」第1号として、比文3年の齊藤侑里子さんに来ていただきました。齊藤さん今日はよろしくお願いします。」

齋藤:「よろしくお願いします」

古「まずは、齊藤さんが参加したインターンについて説明してもらえますか?」

齋「私が参加したインターンは、自走型プログラムのアメリカ西海岸短期インターンシップというもので、8月の2週間にわたってロサンゼルスとサンフランシスコで最新のテクノロジーとビジネスを学ぶ、というものでした。」

古「なるほど。もっと詳しく教えてもらっていいですか?」

齋「よくあるインターンって、『業務はコレ、君たちがやるのはコレ、〇日までに仕上げてね』みたいなのが結構普通だと思うんです。業務遂行型的な。でも私たちの場合は何をやるか、も何を学びたいか、から「自問」して、その興味関心に基づいて自分たちのプログラムを構成していく。それに沿ってイベントや人を調べて、アメリカの企業にはメールを送って。『日本人の学生なんですけど、伺ってもよろしいでしょうか』って英語で何件もアポを取りまくって()で、結局一社とskypeでミーティングまで持ち込めたんだけど、日程の関係で企業訪問は出来ませんでした。かなり波乱万丈なプログラムでした。」

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「大学で学んでいる学問と将来どういう仕事をしたいかは違う?

古「なかなか自由そうでハードなプログラムですね。テクノロジー、ってことなんだけど、文系の学生なのに、そういうインターンに参加しようと思った理由はどんなのだったんでしょうか。」

齋「うーん、私自身がスタートアップ(1)とかベンチャー企業に少し興味があったのもあります。これからスケールしていくビジネスに自分の身は置いておきたいな、そこで自己成長しながら社会にインパクトを与えたい、と考えたら、IT界隈は外せないかなと思いました。大学で学んでいる学問と将来どういう仕事をしたいかっていうのは、みんなはどうか知らないけど、私はちょっと違いますね()文系だから~!みたいな枠で考えるより、視野は広げるようにしています。」

古「じゃあ、インターン先にアメリカを選んだ理由も、アメリカが好きというよりITが進んでいるから?」

齋「単にアメリカ行ってみたい、という気持ちも大きかったです!(笑)ロサンゼルスってきらきらしてそうじゃないですか。シリコンバレーは、FacebookTwitter、といった、世界規模で変化を生み出したような企業がたくさん誕生している土地なんですよね!そういうところを学生のうちから見れる、感じられるって、今後のキャリア選択の上ですごく有意義だよな、って!」

古「なるほどね。ところで、将来アメリカで働こうと思って参加したんですか?それとも、学んだことを日本で生かそうって感じですか?」

齋「うーん、自分の可能性を広げる意味でも、どんなものかまずは見たいなと思っていて。行く前から『絶対アメリカだ!』みたいな先入観は持っていなくて、好奇心が一番大きかったです!」

古「まっさらな状態でとりあえず見て、視野と可能性を広げてみようって感じだったんですね。」

齋「そうですね。」

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「何が大変っていうか、全部大変(笑)」

古「けっこう大変なこともあったと思うんですが、語学は前提として、コミュニケーションとか、考えなきゃならないこととかで、何か特に大変だったことはありますか?」

齋「あー、めっちゃ大変でした!最初に言った通り、自分たちでプログラムを組むインターンだったので、まず行く前から大変。自分たちでどのように、どこから情報を得るのか模索するところから始まりました。現地のメディアサイトを見たり、日本で活用されてないアプリを英語で調べて使ってみたり…。参加する学生も、学年も学校も違う都内の学生が多くて、しかもみんな男子!だからコミュニケーションが大変でした。」

古「自分たちですると大変ですよね。」

齋「現地では日本じゃあまり使わないUBERとかAirbnbとかフル活用しました!何が大変っていうか、全部大変だったし、毎日が凄く刺激的でした(笑)。帰国してからも、それを届けるために動画作成したりね(笑)でも、本当に素晴らしい機会でした。」

古「なるほど。ところで順番が前後しますが、インターンはFacebookとかで知ったんですか?それとも紹介ですか?」

齋「自分が所属してた筑波の就活支援団体のOBさんからの紹介でした!実はその人が立ち上げた会社のインターンシップなんです!たまたま団体の交流会に参加したとき、「齊藤ちゃん来なよー!」って誘われて。「ご縁」っていうのがぴったりくるかな。本当にご縁で成長させていただいています。だから、Facebook経由ではないですね。」

古「OBさんの紹介ということでしょうか。」

齋「そうですね!筑波大の先輩たちも起業したり、グローバルに活躍されているんですね。かっこいいですよね!」

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「自分が会社に育ててもらうんじゃなくて、自分でスキルを身に着けて、会社に見つけてもらう」

古「どういう行程を立てていったんですか?何に注目してプログラムを組んだのかとかも教えてください。」

齋「ロサンゼルスの方では、『BlogHer』っていう、ソーシャルメディア×女性の社会活躍推進の凄く大きなイベントがあって、それに一人で3日連続参加していましたね。VRのイベントに足を運んだり、戦時中キャンプで暮らした経験のある日系アメリカ人の方との交流も行いました。サンフランシスコでは、起業家やエンジニアの人と対談できたのはよかったな。smart newsのオフィスで行われた『ベイエリア在住の日本人エンジニアミートアップ』はすごくアツかったです()。各国のスタートアップによるピッチイベントも。」

古「事業としていくっていうよりは、まず「見たい!」っていうのがあったんでしょうか。」

齋「そうですね、前提として働くインターンではなかったので!」

古「なるほど、では実際にアメリカを見て、これは日本にはないな、とか、これが生かせそうだなっていうのとかは考えていましたか?」

齋「衝撃的だったのは、「小学生1日ハッカソン(2)」!小学生がコードをゴリゴリ書いて、1日でプロダクト開発しちゃうんです!恐怖すら感じました!() 日本も徐々にプログラミング教育が叫ばれていますが、向こうはプログラミングis当たり前なんだなあと。こういう環境で生まれる人材がイノベーティブなモノを作るんだな、と…。かくいう19歳の齊藤がなにもできない悔しさも感じました。」

古「小学生のうちからそんなに違うんですね。大学生はどうでしたか?」」

齋「向こうの大学生のみんなは目的意識を持って大学にきてるなって感じましたね。UCLAで夢をインタビューしまくる企画をやったんですけど、みんな即答だったんです。学問や大学への目的意識を常に持っているからこそ、大学での学問が将来に繋がるのだなと感じました。」

古「確かにアメリカの学生と比べると、日本の学生はそういうところはちょっと曖昧にしているのかもしれないですね。社会に出てからはどうですか?」

齋「社会人は、『自分が会社に育ててもらう』ではなくて、『自分でスキルを身に着けて、それベースで会社を見つけていく』っ感じかなと思います。日本では最近終身雇用制など、制度が問題!とか叫ばれていますよね。制度ももちろんですが、それに甘んじてしまう国民も問題なのかなーって思って

古「僕も高校生の時に、姉妹都市でアメリカ行ったんだけど、向こうの高校生と話した時に、「何がやりたいか」がはっきりしてるな、と思いました。僕は田舎の学校に行ったんですが、家畜とか豚を育ててコンテストに出したり、一人一人が事業主みたいで、すごいなと思いました。逆に日本は、大学とか高校に育てられてるなって感じて。だから、「大学とか国がなにもしてくれない」って言う人がいるけど、だからこそ、自分たちが何とかしなきゃならないんじゃないか、って思うんですよね。」

齋「なるほど。」

古「今ベンチャー始めるのにいい時代って言われてるらしいですね。大きい企業がコストを払いたくないから、外注するようになっていて、それをベンチャーが担うようになっているから、やりがいがある仕事をするのは、ベンチャーの方が多いって。筑波の卒業生はそういう人(起業をする人)多いしね。齊藤さんのお話を聞いてても思うんですけど、そういうことしたい人にとっては、自由な風潮になっているのかなと思いました。」

齋「そうですね、そのためにも機会は絶対掴みにいかなきゃと思っていて、その気持ちで行動してきました。こういう言い方もあれだけど、筑波の学生って、あんまりそういうことをしないっていうか井の中の蛙になっていないかな。確かにつくばエクスプレス高いけれど ()

古「閉鎖的って言われたりしますよね。」

齋「本当にそれは思っていて……。そういう風に機会を掴みにいかないともったいないなって思うんですよね。目的意識はなくても、飛び出すことをもっとして欲しいなって思います。」

古「日本での経験が海外で生きたこととかってありますか?」

齋「インターンのメンバーの中ではコミュニケーション力が結構生きたと思うんですけど、女子一人だったのもあって、男子の喧嘩いなしたり(笑)。でも実際、日本で身に着けたスキルで海外で何かできたか?というとそうでもないですね。」

古「なるほど、じゃあ、ひらすら圧倒されて帰って来たって感じですか?応援団のWINSやっててよかった、みたいな経験はあんまりなかったですか?ちょっと意外ですね。」

齋「そういうのはなかったですね。ホームステイ先の子供にチアしたくらい(笑)圧倒されっぱなしでしたね。」

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「女性として働くロールモデルになりたい」

古「話は変わりますが、僕もけっこう、やりたこととかを人に話したりやってみたりするタイプなので、齊藤さんがTAKE×WAYとかでイベントとかやっているのに、ひそかに、ライバル心、じゃないけど、素直に受け入れられない思いがあったんですよね。だから、イベントやってるの見ても、面白そうとは思うけど行こうっていう気持ちになれなくって(笑)。普段のそういう活動には、繋がりを作るとか、何か目標とかゴールとかはありますか?」

齋「そんなふうに思ってたんですね(笑)。学内のイベントだと、筑波大生にもっとキャリア意識を持ってほしいなって思っています。人と環境が人を変えると思っているので。よく「さいとーは意識高いよね」って言われるんだけど、誇らしいけどなんだか気持ち悪くて。そういう意識だから、就活でもバタバタする学生も多いのかなと思います。だから、筑波大生の意識の底上げができて、就活にとどまらない人生設計ができる学生が増えたら、筑波大自体がすごく良くなると思うんですよね」

古「なるほど。個人的な目標とかありますか?」

齋「女性として働くロールモデルになりたいなっていうのを中学生の時から思っています。わたしわりと貧しい家庭の出身だけど、そういう背景を背負っているからこそ与えられるインパクトも、ベースアップもできると考えています。自分にしかできないこともあるのかなと。自分の理想を追い求める過程で早いうちから外に出て経験を積んだり、人とのつながりを大切にしてきました。最近は軸が固まってきて、将来のために必要なものを選びに行くようにしています。」

古「将来は起業したいですか?それともベンチャー企業に入りたいですか?」

齋「すごく悩んでいます。ビジネスプランは最近暇なときにぐるぐる考えていて…()。起業とかしてる人たちと会うことも多いから、そのあたりの刺激もあります。将来的になりたい自分像から逆算して、どういうキャリア選択をするのか、ん~~道は一つじゃないだけ、悩みますね!」

古「やりたいことでご飯食べていくとなると、制約も多くなってくるでしょうしね。」

齋「やっぱり、やりたいことがビジネスとして成り立つかっていうのは考えるし、社会にどれだけインパクトを与えられるか、とか、働く女性のロールモデルになりたい、とかを考えます。好きなことだけやっていればいいとは思わないから。」

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古「学生とか同世代の人って、これからの社会を考えていけばいいと思いますか?」

齋「すごく個人個人の生き方に光が当たる時代になってきてるのかな、と思っています。人フォーカスの時代に、自分は何で生きていくのか?をたくさん考えていますね、私は。学生のうちは内省の時間を大切に、それを踏まえて社会との接点を考えてみてはどうでしょうか。」

古「なるほど、そういうことも踏まえつつ、読んでくれた学生へのメッセージはありますか?」

齋「とにかく動くこと!機会は逃さないこと!そこで気付きが生まれて、人のつながりが生まれて、劣等感も生まれて、成長が生まれます!完全自分の経験論ですが()

古「本日はありがとうございました!」

齋「つたないおしゃべりですみません、ありがとうございました。」

 

1スタートアップ:ベンチャー企業などの新規事業を立ち上げること
2ハッカソン:ソフトウェア開発などの企画を競う大会や催しのこと

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