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No. 26「恵まれた才能」竹田翼(比文'16)No 26. On Natural Talent Tsubasa Takeda (College of Comparative Culture 2016)

「先生って、ハンドボール投げどの位飛ぶんですか??」  

ここ最近で1番ヒヤッとした質問である。

 

30mは行く??」

「うん、まあ……忘れたけどそのくらいかな(笑)。ほら、問題解き終わったのー?」

そう言って、私は塾の生徒からの質問の答えを誤魔化した。

 

私は恐ろしく運動が出来ない。 

小学校の頃、自慢ではないが成績は悪くなかった。だが、どんなに頑張ってもオールAは取れなかった。

 

体育のせいである。

 

これは中学に上がってからも同じであった。どんなに全力で走っても、必死に保健でいい点を取っても、保健体育の成績は万年「3」だった。

 

理由は一つ。「運動の技能」という項目でCを取るからである。

同じ理由で高校でも10段階評価の「5」しか取ったことがない。ちなみに高校の体力テストでは男子172人中170位という輝かしい成績を収めたこともある程だ。

 

ただ運動音痴であるだけならまだよかった。

「何となく運動できそう」と思われがちなのでタチが悪いのである。

昔は背の順前から12番目だった身長も、成長期になんとか伸びてくれたため平均くらいの高さはあり、手は割と大きい方だ。ピアノの鍵盤でオクターブ+2音届くくらいの大きさである。左利きのため「サウスポー」と事あるごとにもてはやされ、また現在所属しているサークルも「応援部」。いかにも運動が出来そうな雰囲気である。が、実は応援部の中の楽器を吹く部にいるため筋トレもランニングもする必要はなく、運動する機会はほぼないのである。

 

 しかし何よりの原因がこの名前。昔は名前のせいでサッカーの授業でチームのキャプテンをやらされたこともある。地獄だった。

 

 運動の出来る人には理解してもらえないと思うが、私レベルの運動音痴にとって体育の授業はまさにこの世の地獄なのである。体育がある日は朝から1日憂鬱なのだ(ちなみにこれは今も例外ではない)

 

こんな私だが、この運動音痴をなんとかしようと、中学校にあがる時一度野球部に入ろうとしていたことがある。しかし、初めて参加した仮入部で素振りを始めた時思ったことがある。

 

(バット重っ……)

 

私には運動神経だけでなく、運動にかける根性も欠けているのである。

 

そんなこんなで中学校では、姉が以前所属していた音楽部(いわゆる吹奏楽部とほぼ同じもの)に入り、高校でもそのまま吹奏楽部に入った。もちろん運動から逃げるために吹奏楽を始めた訳ではないが、結果として運動する機会を得ないまま(作らないまま)20歳を迎えるわけである。

 

 ここまで散々、私がいかに運動が出来ないかを述べてきた。だが、今となってはもはやこの運動音痴な自分の性質を嫌ってはいない。「運動できそうなくせに実はさっぱり出来ない」、これはこれで話のネタになるためである。ここまでひどい運動音痴はある意味恵まれた才能だとすら思っている。

 

  最後に、冒頭に書いた生徒からの質問の答えが気になる人は是非竹田にハンドボールを渡してみてほしい。この文章で私が述べてきたことの意味が分かるはずだ。 

tkd

 

 

 

 

 

 

* * *

 ハードルを上げてバトンを渡してくれたTさんとは一転、インドア感溢れる文章となってしまいました。

 次は同じクラスの留学生、アジアンビューティーなPさんです。お楽しみに!

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