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教員コラム(4)フィールドワークと映像 1―カメラとレンズのことなど―(徳丸)Faculty Column (4) Fieldwork and Images 1-About Cameras and Lenses- (Tokumaru)

 民俗学のフィールドワークは聞き書きを主なる手段とするが、カメラやビデオを用いた映像記録も、その重要な手段の一つである。

 近頃は、みなスマホを持っているので、思いついたときに写真を撮り、ネットにアップロードするという行為が日常化している。私自身も、たまに家族の写真をスマホで撮影することがあり、想像以上に良く写ることに驚いたりしている。とはいうものの、極小の撮像素子[i]を使わざるを得ないことから、どうしても被写界深度[ii]の深い写真になってしまう。手前から遠景まで全てにピントが合って、確かに精細ではあるが、煩雑な印象の写真になるのは、しかたがないところである。Photoshopなど画像処理ソフトを使えば、後からボケを与えることもできるのだが、正直、大変面倒くさいので、そのまま保存することになる。

 個人的には趣味的に撮影する場合は、いまだにフィルムカメラである。これは趣味の領域であるので、機材を揃える際には、本能の赴くままに財布の中身を考えて行動することになる。つくばエクスプレスを使えば銀座の中古カメラ店まで90分という地の利もあり、結果として、ブローニー判[iii]からライカ判[iv]、果てはベスト判[v]からミノックス判[vi]まで、数々のフィルムカメラ群が手元に保護され、子供の「パパは、同じ写真しか撮らないのに、何で何台もカメラを持っているの」という返答のしようがない言葉を招くこととなる。まして、近頃は、フィルム現像や焼き付けを行う写真店も急激に減少しており、それに対処するという口実で、フォコマートという昔の引き伸ばし機を購入したりもして、自分でも「これはまずいな」と反省したりもする。

 

・カメラについて

 

 さて、フィールドワーク用のカメラということになると、現在は、完全にデジタルカメラに移行している。

 今、つくばエクスプレスに乗って1時間、一昔前は電気の街であった秋葉原の大規模店舗には、多くのデジタルカメラが展示販売されている。コンパクトデジカメからデジタル一眼カメラ、さらにはデジタル中判カメラまで、目移りしてしかたがない状況である。あるいは、Amazonをのぞくと、これまた数多くのデジタルカメラが、量販店で購入するより安い価格で並んでいる。

 カメラ好きには、大変うれしい状況なのだが、最初の一台を求める者は、どうしたら良いかわからない状況に陥ることもあるだろう。すこしまじめにカメラ選択の基準についてお話してみたい。

 フィールドワークを行うに際して、使い勝手が良いカメラは、やはりデジタル一眼カメラである[vii]。一眼カメラには、これから撮影される像を直接その眼で見ることができるという大きな利点がある。また、広角から望遠まで、豊富な交換レンズが揃っているのも魅力である。

 とはいえ、一眼でないとフィールドワークでの撮影は無理かといえば、そんなこともない。学生時代の私は、Rollei35という、極めてコンパクトなフィルムカメラを使っていた。白黒フィルム用と、リバーサルフィルム用に2台、福岡市の鳥飼カメラという中古カメラ店で購入して、10年間ほどはそれだけで調査した。撮影用ファインダーも撮影範囲をフレームで示すのみ、ピント合わせの距離計もついていない目測式のカメラであったが、人間、条件が限られればそれなりに自分の撮影スタイルを工夫するもので、当時は特に不自由は感じていなかった。もっとも、当時の写真を今見ると、例えば深夜に行われる神楽の写真などはほとんどないので、それなりに被写体を選んでいたといえる。

 今は、デジタル一眼カメラが比較的安価に購入できる時代であり、無理に調査で使いにくいカメラを購入する必要もないだろうが、コンパクトデジタルカメラの性能も上がっており、一眼のカメラと同等の画像を撮影出来る機種もある。調査機材をコンパクトにまとめたい、あるいは、調査の被写体が、それほど激しい動きをするものでなければ、コンパクトデジカメ一台で勝負というのも粋である。私も、調査の際には、必ず広角系のGRというAPS-Cコンパクトデジカメ1台をサブカメラ、あるいは風景撮影用として使っている。

 さて、デジタル一眼カメラを購入する際、まず押さえるべきポイントは、ひとつは、それがレフレックス式であるか、ミラーレス式であるか、今ひとつは撮像素子の大きさについてである。レフレックス式とは、レンズから本体内部に導いた光を反射ミラー[viii]で、カメラのレフボックス上部に設置されたスクリーンに投影し、天地が逆転している映像を、ペンタプリズム[ix]で正像に整え、それをファインダーから見る方式である。撮影時には、反射用のミラーが上がって、シャッターが開き、あらわれた撮像素子面に光が届くことになる。このように書くと、何がなんだかわからないと思うが、とにかくレンズから入って来た光をミラーで反射し天地を整えた上で、そのまま肉眼で見る方式と考えておけば大きな間違いはない。ニコンやキャノンの主力機はこの形式をとっている。

 対してミラーレス式の場合は、読んで字のごとく、この反射用のミラーがない形式である。そればかりか、ペンタプリズムもなく、撮像素子に届いている光をデジタル変換したものを、電気信号として電子ファインダー内、あるいは本体背面の液晶画面へと送り、それを映像として見る方式である。反射ミラー機構やペンタプリズムが必要ないため、カメラをより小さく、軽量に作れる利点があり、ミノルタやオリンパス、ソニーなど、こちらの方式に力を注いでいるメーカーも多い。

 レフレックス式とミラーレス式、フィールドワークにどちらが良いかという点であるが、現在のカメラの性能からいえば、通常の撮影では両者の間に大きな性能の違いはないといえる。趣味的なところでいえば、ミラーレス式の場合は、撮像素子と撮影レンズ後端の間にミラーのクックリターン機構[x]が必要ないため、レンズと撮像素子の距離を近くすることが可能である。そのため、一眼レフカメラが普及する以前に設計されたレンジフォーカスカメラ[xi]用のマニュアルレンズを、アダプターを使って使うことができるという大きな利点がある。つまりは、中古市場に流れているドイツや旧ソビエト連邦などで製造された膨大なレンズ資産から好きなものを選べることになるので、レンズ選択の幅が大きく拡がる。それに比例して財布の中の福沢諭吉が消えて行き、場合によっては家庭争議が発生することとなる。過去のレンズが使えるということは、結構重要なことで、私も戦前製造されたライツのレンズを、時折、ミラーレスカメラに付けて撮影するが、当時のドイツのレンズ製造技術が極めて優れていたことを実感することができる。

 ただし、ミラーレス式には欠点もある。それは、ファインダーで見ている映像と、実際に撮影できる画像とが時間的に微妙にずれるという点である。撮像素子に投影された光をデジタル信号に転換し、更にそれをファインダーに表示するという電子的プロセスが必要になるため、ファインダーで見ることができる映像は、コンマ数秒、過去の映像ということになる。もちろん、ほんのわずかな遅れなのだが、動きの速い神楽などの芸能や神輿や山車が暴れる祭りなどを撮影する時にはこれが結構問題となる。私も発売されたばかりのミラーレス式のデジカメで人物の撮影をした時、シャッターを押す瞬間は確かに目を開いていたはずなのに、撮影した画像は眼を閉じていたという経験をしたことがある。また、撮影の瞬間は、その映像信号は映像記録用の回路に送られ、ファインダー側には送られないため、ファインダー上はわずかではあるがブラックアウト(映像が消失する時間)が生じてしまう。これも、結構ストレスとなる。現在のミラーレス式デジタルカメラでは、これらのギャップはずいぶん改善されているが、それでも、完全には解消されていない。

 それでは、ミラーレス式の利点はというと、それは、レフレックス式と比較して動画撮影機能が使いやすいという点が上げられる。今現在販売されているカメラのほとんどは、撮像素子を利用した動画撮影機能を持っている。デジタルカメラという商品の規格上、あるいは撮像素子の連続使用による発熱の問題から、撮影時間は20分程度に限られることが多いが、大きな撮像素子によるボケを活かした動画撮影は、かつては35ミリメートルのシネカメラなどプロ用の映画機材でなくては不可能なもので、これを家庭でも可能にした技術の進歩には驚くばかりである。ミラーレスカメラには、極めて精細な4K画像の動画撮影を可能にしたものもある。静止画だけでなく動画の撮影も考えるのであれば、動画撮影に際して常にミラーアップが必要になり、その間、ファインダーでの画像確認が不可能となるレフレックス式のカメラよりも、ミラーレス式の方が良いとも考えられる。

 またミラーレス式では、撮像素子にフォーサーズというやや小さいものが用いられている場合もあるので、本体が小さく軽く、手の小さな人には使い易い。さらには、小さな撮像素子に多くの光を集める事になるので、明るいレンズが作りやすいという特徴もあるだろう。

 一眼レフカメラの撮像素子の大きさであるが、現在のところ、主なるフルサイズ判(36×24mm)、APS判(APS-C:23.6×15.8mmあるいはAPS-H:27.9×18.6mm)、フォーサーズ判、(17.3×13mm)、1インチ判(13.2×8.8mm)の4種類が現実的な選択となるだろう。35mmフィルムとほぼ同じ大きさの撮像素子を使うフルサイズ判カメラは、被写界深度を活かしたボケのコントロールがフィルムカメラとほぼ同じ感覚で行え、また、レンズもフィルムカメラ時代のものをそのままの倍率で用いることができる。しかしながら、とにかくカメラが大きく重くなり、また大きな撮像素子の製造上の困難さから、非常に高価なのも難点である。

 APS判だと、カメラはコンパクトに纏まり、また価格も抑えられてお手頃になるが、撮像素子がやや小さくなるため、35mmカメラでのレンズの焦点距離がそのまま約1.5倍に延長される。例えば20mmの超広角レンズがほぼ35mmの標準広角となる訳で、特に広角域を撮影しようとする場合には、専用設計のレンズが必要となる。しかしながら、過去のレンズ資産を持たない、あるいは、それに拘泥しないのであれば、撮影画像の精細さや、電子的ノイズの少なさ、機械の安定度からも魅力的なサイズである。

 フォーサーズ(マイクロフォーサーズ)判は、撮像素子サイズが、APSサイズより更に小さなものとなる。その利点は先に述べた通りであるが、これも35mmフィルム用のレンズをアダプター等で使うと焦点距離が2倍となる。例えばライツのズミクロン90mmが、180ミリメートルの望遠レンズとなるので、使い勝手がかなり変わることになる。ただ、これも専用設計のレンズを使えば問題は生じない。

 1インチ判の撮像素子のミラーレスカメラを出しているのは、ニコンとキャノンであるが、いずれも軽量でコンパクトなもので、私も調査道具を軽くしたい時や、サブカメラを必要とする場合はニコンの1インチデジカメを使っている。ここまで撮像素子が小さくなると、暗い環境での撮影には、やや画質に不満が出て来るが、大きな利点もある。それは、撮像素子が小さいので、アダプターを用いて35ミリメートルフィルム用のレンズを付けると、焦点距離が3倍になることである。つまり200ミリメートルのレンズが600ミリメートルへと変身する訳で、プロかセミプロでなくてはまず使わない焦点域を趣味的な撮影で手軽に楽しめる。

 フィールドワークで、使い勝手が良いのは、価格の手ごろさからいっても、APS判からフォーサーズ判のデジタルカメラであろう。実際売り場に並んでいるデジタル1眼カメラの多くはこのサイズの撮像素子を用いたものであり、選択の幅も広い。撮像素子の画素数については、それが多ければ多いほど高精細になるが、同時に撮影感度の低下とノイズの増加も生じるため、経験上、調査用には800万画素もあれば十分だといえる。今は、2000万画素が当たり前の時代であるが、15年ほど前に使っていたオリンパスのE-10という400万画素のレンズ固定式一眼レフカメラの撮影画像は今見ても十分通用するものである。画像データを蓄えるバッファメモリの容量が小さいため一度撮影すると数秒の間撮影ができず、連写には向かないが、高画質のEDレンズ[xii]を使い画質的には非常に優れたものであり、新緑や紅葉など眼が覚める様な写真が撮れることもあった。

 いたずらに高画素の機材を求める必要はないというのは、画素数が多くなればなるほど、記録されるファイルのサイズは膨大なものとなるためでもある。3.2分の1サイズという極小画素のコンパクトカメラで2000万画素という製品もあるが、仮に画像を圧縮せずに保存するとファイルサイズが10メガバイトを大きく超える場合もある。少し古めのパソコンでは、画像ソフトでの処理が困難になり、カメラのメモリや保存用のハードディスク容量をいたずらに食うこととなる。また、1画素あたりの面積も極小となり、そこに集められる光の量も少なくなり、電気的ノイズや熱ノイズが増加してしまうことから、これをフルサイズカメラの2000万画素と同等に考えることはできない。

 もう一つ、カメラを選ぶ際に非常に重要なこと、それは、手で持った際の手のひらへの馴染み方である。個人的には、新しいカメラを売り場で発見した際には、まず手にとってファインダーの見え方や、動作の俊敏さ、シャッタータイムラグなど、自分の身体的な感覚にこれがなじむかどうかを確かめる。その際に、右手片手でグリップ部を握ってみて違和感なくカメラを支えられるか、グリップ部の出っ張りが手のひらに当たったりしないか、標準ズームレンズを付けたカメラの重さが自分の撮影スタイルにしっくりと来るかを確かめる。ネット上で情報を集めた際に優れた機能や性能がきら星の様に並んでおり「いいな」と思っていても、実際に売り場で手に取った時点で「私にとっては失格」となるカメラが結構多いのである。確かに軽いが、いざホールディングしようとすると、妙にグリップがしにくくて、撮影しようとするたびに一瞬、違和感を覚えるカメラ、あるいは、結構重いのだが、グリップが手に吸い付くようになじむため、重いレンズを着けても容易に片手で振り回せるなど、こればかりは実際に手にとってみなければわからない。大枚はたいてカメラを買うことになるのだから、まずは、販売店で色々と手にとってみて、手のひらへの馴染みを確かめてみることをお薦めする。これは非常に重要である。

 

レンズについて

 

 少し話が堅くなったので、レンズの話は軟らかくすすめたい。今現在、フィールドワークで祭りなど動きの大きなものを撮影する際には、一眼レフのデジタルカメラに広角寄りの明るいズームレンズをつけて撮影している。

 フィールドワーク用のカメラを購入する時、ついつい最大300ミリの望遠ズームレンズもセットでついたお得な商品を選びがちなのだが、民俗学のフィールドワークで最も必要なレンズは、ひとこと「f値の明るい広角レンズ」である。念のために付け加えると、広角レンズは、広い範囲が写るレンズのことで、焦点距離が21ミリメートルから35ミリメートル程度のもの[xiii]を一般的には指す[xiv]。明るいレンズとは、暗いところでも撮影できるレンズで、ズームレンズではf2.8~2位から、単焦点レンズではf0.95~1.4位からのものがある[xv]

 望遠レンズを初めて手にすると、遠くのものを大きく写せて「すごいなあ」と思うのであるが、考えてもご覧なさい、フィールドワークで神輿を担ぐ若者たちの顔のみをアップで撮影しても、何かその若者に思い入れがあるならともかく、論文や報告には使いにくいのではないか。それよりも広角レンズであれば、祭礼で動く人々の全体や、祭場の全体をある程度俯瞰で撮影することができる。さらには被写界深度が深いので、ある程度絞り込んでおけば、ピンぼけという最悪の事態も避けられ、AF動作の時間を掛けずにスナップ・シューティングが可能となる。家の中で撮影する場合も、近い距離から部屋全体など広い範囲を写せるし、さらには、広角レンズには明るいものが多いので、現在のデジタルカメラの性能とレンズの明るさとを組み合わせると、電灯程度の明かりで十分に撮影可能となる[xvi]

 自由に画角(写る範囲)を変化させることができるズームレンズも便利なのだが、カメラ会社が広角の明るいズームレンズを、気合いを入れて作ると、大きくて重く、かつホンダのスーパーカブの新車が買える値段となってしまう。あくまで個人的な話であるが、ここは一つ単焦点レンズを使うのが潔いかと思い、オートフォーカスも捨てて、フィルム時代の21ミリメートルマニュアル広角レンズを付けて使うことが多くなっている。被写界深度が深いので、屋外である程度絞り込んでおけば、ピントを外すことがないので、ノーファインダーでも撮影可能で、祭礼調査など刹那的撮影状況での記録写真撮影には大変使い易いのである。アップが欲しいときは、今のカメラは画素数が多いのでPhotoshopを使って、その画角をトリミングで切り出せば結構間に合う。とはいえ、ズームとオートフォーカスなしは、何かと不安だろうから、ここは明るめの広角~標準ズームレンズを、フィールドワークに用いる最初の1本として購入することをお薦めする。

 ただし、広角レンズには、魚眼効果[xvii]が出るものがあるので、ポートレートを撮影すると、妙に鼻が大きくなって「これは私じゃない」というご意見をあなたの大事な人からいただく場面も危惧される。そういう場合に供えて、50ミリメートルから80ミリメートル程度のこれまた明るい中望遠寄りのレンズを一本用意しておくのも撮影する者のたしなみというものであろう。

 

 続きます。



[i] 光を電気的信号に変換するセンサー。CCD、あるいはC-MOS、FOVEONなどの方式がある。光の三原色を電気的信号に変換する極小の画素の集合体であり、現在、デジタルカメラの多くは800万画素から2000万画素を超える程度の画素数となっている。その画素数が多ければ多いほど、高精細な画像が得られるが、高画素な撮像素子は、撮影画像のファイルサイズが大きくなり、個々の画素面積が小さくなるため、暗所での撮影に弱くなり電気的ノイズが増えるとされる。しかし、今日ではかなりの技術的改善が見られる。

[ii]レンズの焦点は、厳密には1点のみであるが、絞りを絞り込む、あるいは小さな撮像素子(あるいはフィルム)を用いることにより、針穴写真機と同じ原理で、ある程度の距離の幅を持って焦点が合うことになる。人物写真や風景写真を撮る際には、ピントあわせの失敗がなくて良いのだが、全てにピントが合ってしまうので、画面が煩雑になり、自分が意図する主題を画面の中で浮かび上がらせることができなくなる。反対に、大きな撮像素子(あるいはフィルム面)のカメラで絞りを開けて撮影すると、ピントを望む一点に合わせて他はボケさせることもできる。女性の瞳にピントを合わせて、そこからなだらかにボケを用いるのはポートレートの常道である。

[iii] 中判とも呼ばれる6センチメートル×6センチメートル~6センチメートル×9センチメートルの画面サイズ撮影できるカメラ。風景やポートレート撮影で活躍する。ハッセルブラッドやRolleiflexが有名。研究のため所有している。

[iv] かつて最も一般的に用いられたフィルムサイズ。幅35ミリメートルのフィルムを用いる。エルンストライツ社による規格で、基は映画フィルムからの転用に始まったとされる。ライカ各機種も研究のため、やむなく多数所有している。

[v] 127フィルムとも呼ばれる4.5センチメートル×4.5センチメートルの画面サイズのカメラ。ベビーローライなど軽くて可愛くかつ画質が良いカメラがある。これも研究上外すことはできないので所有している。

[vi] 昔の映画でスパイカメラとして用いられることでも有名な極小サイズのカメラ。同じサイズだったらデジタルカメラの方が遙かに良い画質で撮影できるのであるが、なぜかこれも所有してしまった。

[vii] 本体後ろのファインダーをのぞいて、レンズから入って来た光がカメラ内のスクリーンに結んだ像を直接見るため、レンズが一つであることから「一眼」と呼ぶ。対して、ピント合わせ用のレンズと反射板を別に持つRolleiflexなどのカメラを「二眼レフ」と呼ぶ。

[viii] 光を反射するミラー。

[ix] 安価な一眼レフカメラではミラーの組み合わせで同じ機能を持たせる。

[x] 撮影時に反射ミラーを素早く引き上げ、撮影後直ちに基の位置に戻す機構。

[xi][xi] 距離形式カメラ。一眼レフカメラが日本のカメラ企業によって一般化する前に主流であった方式。二つの離れた距離計窓から入る光の視差を利用して被写体までの距離を計測する。現在でもライカM9などデジタル距離計カメラも存在する。意外に使い易い。

[xii] 人造蛍石という色収差(光の波長の関係でレンズを通すと色のにじみが発生すること)が出にくい素材で作られたレンズ。特に望遠レンズでの遠距離撮影で効果を発揮する。

[xiii] デジタルカメラの撮像素子は、生産コストの問題からライカ判(フルサイズ)より小さいことが多い(例えばAPSサイズやフォーサーズ)。製造上の歩留まりが悪いのである。

[xiv] これらの画角が入ったズームレンズ(APS判デジタルカメラ用であれば広角域が16mmくらいから始まるもの)を広角系ズーム、反対に望遠域が135mmを超えるものを望遠系ズームとも言う。フィルム時代は50mmレンズが標準レンズ、80~100mm程度のレンズが中望遠レンズとされた。現在は、ズームレンズの使用が一般的であるので広角28mmから中望遠100mm程度の画角を押さえたズームを標準ズームと呼ぶ場合もある。

[xv] レンズの絞りを最大に開いた開放f値が小さければ小さいほど、暗いところでも、フラッシュ(スピードライト)なしで撮影できることになる。反対に、f値が大きいレンズだと、暗い場所での撮影では、シャッタースピードを遅くしたり、カメラの感度設定を上げる必要がある。これは手ぶれを起こしやすくなったり、画像にノイズが増えたりすることがある。ただし、現在のデジタルカメラは、性能が非常に上がっており、自動設定で、問題なく写真が撮れる場合も多い。

[xvi] 広い範囲を画面に収める広角レンズは、その範囲の光が撮像素子に集中することになるので、当然、明るく撮影できることになる。対して、望遠レンズは、狭い部分を大きく拡大するので、限られた光を撮像素子に投影することになり、暗くしか撮影できないことになる。

[xvii] 画面の中央に来るものが大きく拡大されて写る効果。ドアのレンズ付きのぞき窓から覗いた光景がその極端な例である。

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